犬のリーディング 2

無駄吠えが多いのは何故かと言うご質問を受けたことがあります。

私がリーディングしたその子は抱っこされて唸っていました。
その子は雄で、リーディングをすると魂的にも自尊心も高い子でしたが、自身の小さな身体と自身の力のなさを感じました。

無駄吠えの大きな原因の1つがその身体のコンプレックスでした。
そしてそのコンプレックスを増長させていたのが飼い主さんでした。

増長させた行為、それは抱っこすることでした。

その子にとって人間との生活の中で抱っこされて怖いと思った経験がありました(その時抱っこした人は飼い主ではない)
嫌だ、離してと騒ごうとした時に、ふとこの高さで落とされたら自分は大怪我をしてしまうと氣付き、言いようのない恐怖を感じました。
その時の経験がどんなに嫌がっても小さな身体と非力さではどうもできないと言う屈辱を植え付けました。

犬としての高いプライドもあって、その一件以来その子は自分の強さを見せつけるためにどうしたら良いか考えていました。

そしてある日、自分が吠えれば相手は怯むことを学習しました。
無駄吠えと呼ばれる行為は、その子にとっては自衛だったのです。
自分の力を肯定するのために吠えていたのです。
自分より大きなもの、好きじゃないものが自分が吠えるとたじろぐ。
それはその子の自己肯定感を復活させるものでした。

ですが暫くすると事あるごとに『うるさいよー』と飼い主さんに抱っこされるようになります。
その時にその子の中で起きていることは『この世界で自分の力で身を守ることもできない』と言う自己の否定です。

そして恐怖心が出ると吠え、もう自分の力ではどうにできないのだから最後は抱っこしてもらう様になりました。

飼い主さんサイドから見ると、なぜあんなに熱り立って吠えるのか、ご近所迷惑だし、なにより印象が悪い。
どうしていいかわからずとりあえず抱くと鳴き止むからその場を収めるためにも抱っこでそそくさとその場を離れると言うことを繰り返していました。
飼い主さんとしてはその子が吠え立てて甘えていると思って(抱っこをせがんでる)から抱っこをするのですが、本人にとってはこの世への降参と無力さの表れなのです。

明日は対処法について書きますね。

One drop of truth

見えない世界で見聞きしたこと

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